東北では、東日本大震災から10年が経ち、復興に向けた力強い息吹が感じられるようになってきました。地域で生活をする人たちには、厳しい10年となったことは想像に難くありませんが、たくさんの人・モノ・金・情報がこの地に降り注がれ、新しい未来を創造し続けた10年であったことも疑いがありません。
デロイト トーマツ グループではこの10年間の総括の1つの形として2021年1月~3月までに、主に三陸沿岸部の方々にオンライラン会議にご登壇いただき、「私の復興」というテーマでお話をいただく機会を持ちました。登壇者のお一人である宮城県の造船会社の社長はその思い描く復興の形をアラスカの紅葉で表現されました。アラスカは大変寒い地域で有名ですが、その寒さに堪えた地域においては一面真っ赤な紅葉の季節が訪れるそうです。その社長はこの一つ一つの木や枝や葉が、まさに東北の人材そのものであると語り、東北の近い未来をビビッドに表現されました。この10年で多様な色付きを見せてくれた東北では、農業・漁業・林業などに新しいビジネスモデルが多くみられるようになったのに加え、自動車、電子デバイスなどの大手工場も存在し、移住者を巻き込んで次の50年のイノベーションの地域として新たな姿を確実に表しています。
デロイト トーマツ人材機構株式会社
取締役
吉川 玄徳