関東

日本の中心となっている東京都を含み、日本人口の約35%が集中している巨大な経済規模を持つ関東。
こちらでは関東で暮す・働くうえで役立つ情報をご紹介いたします。

  • 関東で働く
  • 関東に住む

関東の中心に位置する埼玉県では、主に卸売・小売業、製造業が経済の中心となっています。東京から北関東、東北、北信越地方を結ぶ交通の要所として鉄道や高速道路が発達しており、その利便性の高さから工場や物流センターが多数存在しています。企業の転入超過数が全国トップクラスであることからも埼玉県への期待の高さが伺えます。また、東京都心機能の一部移転により、さいたま新都心エリアには国の重要機関が多数置かれ、大型の複合商業施設やホテルが集積し、首都圏における行政・経済において重要な役割を担っています。

埼玉スタジアムやさいたまスーパーアリーナといったスポーツ・イベント施設の充実により、週末はスポーツ観戦やコンサートを気軽に楽しむことができます。さいたま市は教育関係費が全国トップの文教都市であり、通勤のしやすさから東京をはじめとする県外からファミリー層の移住が増加しています。

若い世代が増加し街が潤うことで、今後も働きやすさと住みやすさの向上が期待されています。

有限責任監査法人トーマツ
さいたま事務所 パートナー
酒井 博康

エリア経済情報

関東地方は日本最大の経済圏であり、その中心である東京都には多くの企業の本社があります。特に東京駅近くの丸の内に多く、巨大なビジネス街を構成しています。工業も発達していて、東京湾沿岸には京浜工業地帯や京葉工業地帯が広がっています。

特に東京圏は商業も発達していて、銀座や渋谷、新宿、池袋などといった繁華街には大規模な百貨店や高級ブランドショップ、大規模商業施設が建ち並んでいます。また産業構造を売上高(企業単位)で見たとき、関東地方は金融業・保険業の割合が大きい(関東地方は11.8%、全国は7.7%)ことも特徴です。

2018年度における関東地方の域内総生産(生産側、名目)は約219兆4,877億円で、これを北関東(茨城県、栃木県、群馬県)と南関東(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)で分けると、北関東は約32兆4,000億円、南関東は約187兆876億円と大きな開きがあります。関東地方全体での経済成長を考えたとき、この差をどのように埋めていくかがポイントになるでしょう。

  • エリア経済情報については、主に地域経済分析システム「RESAS」で公開されているデータを利用しています。

農業

関東地方の農業は、都市の近くで生産することで鮮度が高い状態で消費地に届けられるうえ、輸送費も抑えられる都市型近郊農業となっています。また千葉県の大根やねぎ、ほうれん草、神奈川県の大根、茨城県の白菜、栃木県のいちごなど、関東地方で出荷される品目のうち、全国でもトップクラスの産出額となっているものも少なくありません。

2019年の農業産出額(実額)の順位を見ると、茨城県が約4,302億円で全国3位、千葉県が約3,859億円で同4位、栃木県が約2,859億円で9位であり、これらの県は全国でも上位に位置しています(農林水産省「生産農業所得統計」)。

工業

関東地方の製造業における売上高(企業単位)は約197兆1,608億円で大規模な産業となっています。細かく見ると、輸送用機械器具製造業が約24兆8,762億円、化学工業が約24兆3,169億円、食料品製造業が約16兆6,807億円です。

関東地方の工業地帯として広く知られているのは東京から神奈川にまたがる京浜工業地帯と、東京から千葉方面の京葉工業地帯です。ただ最近では、新四大工業地帯の1つとして北関東が注目されており、茨城県や群馬県、栃木県には大規模工場の進出が相次いでいます。

商業

関東地方の卸売業・小売業の売上高(企業単位)は約274兆603億円であり、同地域の30.2%を占めています。中分類で見ていくと、建設材料、鉱物・金属材料等卸売業が約67兆3,911億円、機械器具卸売業が約48兆1,320億円、飲食料品卸売業が約39兆2,050億円となっています。

なお宿泊業・飲食サービス業の売上高(企業単位)は約11兆6,815億円、生活関連サービス業・娯楽業は約23兆3,739億円であり、関東地方に占める割合はそれぞれ1.3%、2.6%です。

産業別売上高シェア

関東地方で売上高シェアが最も高いのは卸売業・小売業(30.2%)で、製造業(21.7%)、金融業・保険業(11.8%)が続きます。全国のシェアと比較すると、関東地方の金融業・保険業や情報通信業は全国を上回り、製造業や建設業、医療・福祉は下回っています。ちなみに農業・林業の売上高(企業単位)は約8,360億円で、関東地方におけるシェアは0.1%に留まります。

首都である東京都のほか、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県で構成されているのが関東地方です。東京都区部だけでなく、神奈川県の横浜市や川崎市、埼玉県さいたま市、千葉県千葉市など多くの大都市が点在し、日本の人口の約35%が関東地方に集中しています。経済規模も巨大で、関東地方の域内総生産(生産側、名目)は約219兆4877億円、日本全体の約40%を占めています。

一般社団法人森記念財団 都市戦略研究所が発表している「世界の都市総合ランキング」の2020年版において、東京はイギリスのロンドン、アメリカのニューヨークに次ぐ3位に位置付けられており、世界的な大都市として発展しています。一方、地方創生の観点から東京の一極集中を危惧する声も大きく、日本全体の中で東京あるいは首都圏をどのように位置付けていくのか、今後さらに議論が重ねられるでしょう。

住宅情報

東京23区は場所によって家賃が大きく異なりますが、全体的に見るとワンルームで6万円から8万円台、2LDKで10万円~20万円程度が相場となります。特に家賃が高いのは港区や千代田区、渋谷区で、ワンルームで10万円を超える物件も珍しくありません。

東京23区に次いで人口が多い神奈川県横浜市も区によって家賃相場に差はありますが、全体で見るとワンルームが5~7万円台、2LDKでは7万円台半ばから14万円が相場となっています。なお家賃が高いのは、横浜駅やみなとみらいが位置する西区、大桟橋や山下公園、横浜中華街などがあり多くの観光客が訪れる中区などです。

  • 家賃相場は各種賃貸情報サイトなどを調査し編集部にて独自に算出

交通情報

東京都は交通において日本の中心となっており、東北・北海道方面、北陸方面、関西方面に向けて新幹線が走っているほか、数多くの在来線も運行されています。さらに東武鉄道や西武鉄道、京成電鉄、京浜急行電鉄といった大手私鉄9社のほか、準大手私鉄や中小私鉄もあります。

関東地方の代表的な高速道路としては、東名高速道路や東北自動車道、上信越自動車道、常磐自動車道などが挙げられ、また東京都内および近隣地域には首都高速道路が張り巡らされています。

関東地方の空港は、東京国際空港(羽田)と成田国際空港の2つの空港があり、海外および日本の各地を結んでいます。また東京都の諸島部に、大島空港や新島空港、神津島空港、三宅島空港、八丈島空港が整備されています。

医療情報

関東地方にある国立病院機構に属する病院は、水戸医療センター、栃木医療センター、高崎総合医療センター、西埼玉中央病院、千葉医療センター、東京医療センター、横浜医療センターなどです。

人口10万人あたりの一般病院数の順位は、東京都が41位、神奈川県が47位、もっとも順位が高い茨城県でも34位ですが、可住地面積100km2あたりで見ると東京都が1位、神奈川県が3位です。また東京都は人口10万人あたりの医療施設に従事する医師数でも5位と上位になっていますが、同じ指標で神奈川県は39位、茨城県が46位、埼玉県は47位と県によって大きな差があります(総務省「統計でみる都道府県のすがた」(2021年))。

介護情報

65歳以上人口10万人あたりの老人ホーム数の順位は、群馬県が6位と高いランクである一方、栃木県は42位、東京都は43位と関東地方内でも大きな差があります。

介護老人福祉施設数も同様の傾向で、群馬県が4位、茨城県が8位と全国平均を大きく上回っていますが、埼玉県(41位)や神奈川県(44位)、東京都(46位)は下位になっています(総務省「統計でみる都道府県のすがた」(2021年))。

教育情報

関東地方の国立大学には、茨城大学、筑波大学、宇都宮大学、群馬大学、埼玉大学、千葉大学、東京大学、東京医科歯科大学、東京外国語大学、東京工業大学、横浜国立大学などがあります。

該当年齢人口10万人あたりの小学校、中学校、高等学校の数は、東京都がそれぞれ45位、39位、31位、神奈川県はいずれも最下位である47位となっています。またほかの県も全国平均を下回っています。ただ埼玉県や千葉県、東京都、神奈川県は、可住地面積100km2あたりで見ると、東京都が小学校と中学校、高等学校の数でいずれも1位、神奈川県もすべてで3位など、全国平均を大きく上回る学校数があります(総務省「統計でみる都道府県のすがた」(2021年))。

レジャースポット

関東地方に住んでいて、子どもを連れて遊びに行くなどといったとき、行き先がなくて困るということはないでしょう。テーマパークの入場者ランキングで不動の1位を続ける東京ディズニーランド、東京ディズニーシーがあるほか、横浜・八景島シーパラダイスやよこはまコスモワールド、東京ドームシティアトラクションズ、サンリオピューロランドなど数多くあります。子どもたちに人気の動物園も数多く、日本でもっとも入場者数が多い東京都恩賜上野動物園のほか、東京都多摩動物園、よこはま動物園ズーラシアなどがあります。

日光東照宮や鹿島神宮、国営ひたち海浜公園など、北関東にも1度は訪れたいスポットが数多くあります。また箱根温泉や鬼怒川温泉、渋川伊香保温泉、草津温泉など、都市部からアクセスしやすい温泉地が数多くあるのもポイントです。

  • 関東で働く
  • 関東に住む