約1万8,200km2の面積の島で、徳島県と香川県、愛媛県、高知県の4つの県で構成されているのが四国地方です。平安時代初期の僧である空海にゆかりのある88カ所の仏教寺院を巡るお遍路さんで有名な地方で、多くの人たちが巡礼に訪れています。
四国の中央部には四国山地があり、1982mで西日本最高峰の石鎚山や1930mの二ノ森、1955mの剣山などが連なっています。名水百選や日本の秘境100選に選ばれた、全長196kmの四万十川も四国の自然として有名です。
島の四方が海に囲まれていて、豊かな自然と温泉、グルメ、ノスタルジックな街並みなど多彩な魅力を持つ四国。
こちらでは四国で暮す・働くうえで役立つ情報をご紹介いたします。
2018年における四国の域内総生産は約14兆4,356億円です。県ごとに見ると、愛媛県が約4兆9,882億円で全国27位、香川県が約3兆8,551億円(同36位)、徳島県が約3兆1,732億円(同43位)、高知県が約2兆4,189億円(同46位)となっています(内閣府「県民経済計算(平成18年度-平成30年度(2008SNA、平成23年基準係数)))。
香川県の坂出市や丸亀市、愛媛県の四国中央市および新居浜市などは瀬戸内工業地帯に属していて、化学コンビナートや造船、製紙・パルプ、電子部品などの工場が並びます。しかし売上高(企業単位)での産業構造を見たとき、もっとも大きな産業となっているのは約8兆9,278億円の卸売業・小売業で、全国に比べて製造業の割合が小さくなっています。
四国における今後の経済を考えたとき、大きな課題となるのは人口減少です。人口のうち高齢者の占める割合である高齢化率は、4県共に30%を超える割合であり、特に高知県は35.2%に達しています(内閣府「令和3年版高齢社会白書」)。また生産年齢人口も今後大幅に減少すると予測されており、四国における市場規模は今後さらに縮小することが予測されています。
四国では、米や野菜、果実、畜産など幅広く農業が行われており、売上高(企業単位)は約1,733億円で、四国全体の0.7%を占めています。これは全国(0.3%)の倍以上です。
愛媛県のみかんや徳島県のさつまいもであるなると金時、高知県の土佐文旦、あるいは香川県の小豆島のオリーブなど、全国的に有名な農作物が数多くあります。また昨今では、農業従事者の所得向上や地域の活性化を目的として、生産(1次産業)から加工(2次産業)、販売(3次産業)までを一気通貫で行う、あるいは地域の2次産業や3次産業の事業者と連携してビジネスを拡大する、6次産業化に向けた取り組みが各地で進められています。
四国全体における製造業の売上高(企業単位)は約5兆9,358億円です。売上高がもっとも大きいのは食料品製造業(約9,430億円)で、それに輸送用機械器具製造業(約7,597億円)やパルプ・紙・紙加工品製造業(約7,162億円)が続きます。
県別で製造品出荷額等を見ると、もっとも出荷額が大きいのは愛媛県で約4,264億円、一方で高知県は約594億円に留まっており、域内で大きな差があることが分かります。
四国においてもっとも大きな産業となっているのは卸売業・小売業で、売上高(企業単位)は約8兆9,278億円となっています。
事業所数で見たとき、もっとも多いのは農畜産物・水産物卸売業で13.6%、次いで食料・飲料卸売業が12.7%となっています(経済産業省 四国経済産業局「四国地域の商業(商業統計調査および経済センサス活動統計に基づく統計)一覧」)。
四国の産業別売上高シェアは卸売業・小売業がトップで、それに製造業と医療・福祉、建設業が続いています。全国と比較すると、特に医療・福祉のシェアが大きくなっていて、全国は6.9%であるのに対し、四国では11.4%です。これは同地域における高齢化の進展を反映した結果だと捉えられます。
約1万8,200km2の面積の島で、徳島県と香川県、愛媛県、高知県の4つの県で構成されているのが四国地方です。平安時代初期の僧である空海にゆかりのある88カ所の仏教寺院を巡るお遍路さんで有名な地方で、多くの人たちが巡礼に訪れています。
四国の中央部には四国山地があり、1982mで西日本最高峰の石鎚山や1930mの二ノ森、1955mの剣山などが連なっています。名水百選や日本の秘境100選に選ばれた、全長196kmの四万十川も四国の自然として有名です。
総務省が公表している「住民基本台帳に基づく人口、人口動態および世帯数」によると、四国の中でもっとも人口が多いのは愛媛県松山市で約51万人となっています。その松山市の家賃相場は、ワンルームで4万円前後、2LDKで5万円前後です。
人口41万人で四国2番目の都市となる香川県高松市は、ワンルームの家賃相場は4万円前後と松山市と同等ですが、2LDKは7万円前後と少し高くなります。
JR四国が在来線として予讃線、土讃線、高徳線、鳴門線などのほか、瀬戸大橋を渡って香川県の宇多津駅と岡山県倉敷市の茶屋町駅を結ぶ本四備讃線があります。また私鉄として、琴平線や志度線を持つ高松琴平電気鉄道、四万十くろしおラインとごめん・なはり線がある土佐くろしお鉄道などがあります。
高速道路は四国縦貫自動車道と四国横断自動車道によって構成される、エックスハイウェイが地域内の人々の移動や物流をサポートしています。また瀬戸大橋としまなみ海道、明石海峡大橋を通って本州と四国を結ぶ道路も整備されています。
なお本州と四国を結ぶ連絡橋の整備によって大幅に数は減りましたが、神戸と香川県を結ぶジャンボフェリーなどの航路もあります。
空港は高松空港と松山空港、高知空港、徳島飛行場があり、それぞれの空港から羽田に向かう便があるほか、松山空港は成田国際空港や中部国際空港、那覇空港などへの定期便もあります。
四国にある国立病院機構に属する病院は、東徳島医療センターや徳島病院、高松医療センター、四国がんセンター、愛媛医療センター、高知病院などがあります。
人口10万人あたりの一般病院数の順位は、高知県が1位、徳島県が2位となっているほか、愛媛県(8位)と香川県(13位)も全国平均を上回っています。なお同じく医療施設に従事する医師数で見ても、徳島県が1位、高知県が3位、香川県が13位、愛媛県が18位と高いレベルにあります(総務省「統計でみる都道府県のすがた」(2021年))。
人口10万人あたりの老人ホーム数の順位は、徳島県が24位、香川県が18位、愛媛県が11位、高知県が31位であり、ほぼ全国平均並になっています。
老人介護施設数の順位は香川県が9位でもっとも高く、徳島県が15位でそれに続きます。高知県(26位)と愛媛県(27位)はわずかに全国平均を下回りました(総務省「統計でみる都道府県のすがた」(2021年))。
四国には徳島大学と鳴門教育大学、香川大学、愛媛大学、高知大学の5つの国立大学があります。
対象年齢人口10万人あたりの小学校と中学校、高等学校の数は、高知県がそれぞれ1位、1位、2位となっています。また徳島県もそれぞれ4位、8位、14位と高い水準です。なお香川県は31位、34位、30位と平均を下回りました。
なお幼稚園数は徳島県(1位)と香川県(4位)、愛媛県(10位)の順位が高い一方で、高知県は37位に留まります。一方、保育園数は高知県が3位とほかの県(徳島県14位、香川県27位、愛媛県22位)を大きく上回っています(総務省「統計でみる都道府県のすがた」(2021年))。
四国のレジャースポットとしては、道後温泉や金比羅宮などが有名です。特に道後温泉にある道後温泉本館は重要文化財として指定されているほか、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで3つ星を獲得しています。なお2019年1月から2024年末(予定)まで、本館は保存修理工事が行われています。
四国八十八カ所の礼状を巡るお遍路さんも有名で、昨今ではタクシーやバスで巡るツアーもあります。そのほか歴史的遺産として、天守閣が現存する丸亀城、松山城、宇和島城、高知城も見ておきたいスポットです。
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